トルコの経済指標と炭鉱事故
本日、2014年5月15日夜の時点でUSD/TRYがかなり売られています。つまりは、リラ売りです。
リラ売りの背景として一つ考えられるのが、指標です。今日の夕方にトルコの失業率と財政収支が発表されました。結果は、以下の通りです。
- 四半期失業率 10.2%(+0.1%)
- トルコ財政収支 -2.70bsp(+2.4bsp)
数字としては、失業率がやや悪化、財政赤字が後退というニュアンスでしょうか。個人的には、財政収支は良好となっても未だ出口が見えない点が気になります。
もう一つ、気になるニュースをご紹介しましょう。
トルコ・ソマ(CNN) トルコ西部マニサ県ソマの炭鉱で起きた爆発事故で、国家災害対策当局は14日夜までに274人の死亡を確認した。まだ多数が坑内に取り残されており、犠牲者はさらに増える恐れもある。
爆発は13日に発生し、坑内で火災が燃え広がった。これまでに少なくとも88人が救出されたが、エルドアン首相は14日の時点で、まだ120人あまりが坑内に閉じ込められていると話していた。犠牲者の死因は検視の結果、一酸化炭素中毒と判明した。
今回の犠牲者数は1990年に260人が死亡した炭鉱事故を上回り、トルコ史上最悪となった。
エルドアン首相はアルバニア訪問の予定を中止して現地を視察したが、住民から「辞任しろ」と罵声を浴びせられる場面もあった。
トルコで大規模な炭鉱事故があったようです。ただ、為替へのインパクトは強くはないので、こちらがリラ売りの原因だとは考えにくい所があります。
強いて言えば、最後の一文が気になる所でしょうか。髭オヤジの登場が失敗に終わっています。この失態は政治的混乱を連想させます。8月の選挙への影響を考えると、この事故は政治の安定にはマイナスに働くはずです。
USD/TRYでダイバージェンス出現
指標なのか事故なのか、理由がどちらか定かではありませんが、本日現在、トルコリラは大幅に売られています。以下は、夜11時現在の日足チャートです。
チャートは、USD/TRYで上に行くほどリラ売りドル買いです。
上記チャートで重要な点は、MACDの波の高さです。
往々にして、MACDというのは為替価格と同じ軌道を描きます。前回の安値の時点で、MACDも低い値にピークが来ています。前述のMACDで重要な点は、今回のピークが前回のピークを超えなかったことです。この状況をチャート分析の言葉で「ダイバージェンス」といいます。
ダイバージェンスの出現はトレンド反転のサインです。ここ数日、USD/TRYが十分に下落せず、ダイバージェンスのサインが出そうな気配が漂っていました。ここまでトルコリラを買ってきた人なら、このサインが出る前に利益確定を計画しておくべきでしょう。少なくとも、底打ちが確認できた現在では利益確定の判断をするべきです。
管理人は、逆にリラ売りの新規ポジションを先日建てました。もっとも、これはここまで続いたリラ買いトレンドの逆張りです。基本、為替の教科書では奨めないリスキーな手法です。実際、今日まで4日間含み損が続いていました。心臓にはよろしくないトレード法だと、自分自身でも思います。