どうにも夕方からトルコリラが大きく売られています。管理人は先日からリラ売りしてますから、それはそれで良いのですが、どうにも理由が見えてきません。
リラのチャートの動きを見ると、指標発表時のそれに似ています。
ただ、トルコの指標は先日、政策金利が発表されたばかりです。本日は、トルコ経済指標の発表はありません。強いて言えば、スペインとイタリアの工業生産指数が大幅に良くなったことです。Twitterでは、金利が上がり債権が売られているとのリツイートも頂きました。しかし、どうにもしっくりきません。
もっとも、他の新興国では以下のような材料が出てきています。
- タイ:首相退任
- インドネシア:選挙泥沼化予想
- インド:通貨防衛策実施
- オーストラリア:資本流出予想
これに、トルコ固有の原因を加えるとしたら、先日の炭鉱事故が後を引きずっている点でしょうか。エルドアン首相は8月に大統領再選挙を控えています。このタイミングで国民の人気を失うことは、今後の政治リスクの高まりを意味します。以下、ロイターからのニュースです。
[ソマ(トルコ) 14日 ロイター] – トルコ西部マニサ県ソマの炭鉱で13日に発生した爆発事故への対応をめぐり、同国政府に対する国民の怒りが広がっている。現地を訪れたエルドアン首相にはやじが飛び、各地で抗議デモが行われている。
事故から1日が経過したが、約100人がなお坑内に閉じ込められており、救助活動が続けられている。ユルドゥズ・エネルギー天然資源相によると、GMT14日午後7時半(日本時間15日午前4時半)時点で死者数は少なくとも274人に上り、トルコ史上最悪の炭鉱事故となっている。
現地を14日訪問した後に記者会見したエルドアン首相は、遺憾の意を表したが、「炭鉱ではこのような爆発事故が起きるものだ」とし、1862年以降に世界で起きた炭鉱事故のリストを挙げた。同首相はこれより先、外遊取りやめを発表するとともに、3日間喪に服すよう国民に呼びかけた。
ただ、政府の対応に対する国民の怒りは収まらず、エルドアン首相が現地を訪問した際には、ソマの市庁舎の窓ガラスが割られ、怒った住民らは「エルドアン、辞任しろ」などとやじを飛ばした。また、首都アンカラなど各地ではデモ隊と警官隊が衝突。イスタンブールでは数千人規模の抗議デモが行われた。
ユーロ圏の景気が良い一方、新興国がきな臭い匂いを発しています。これで、先進国買い・新興国売りの流れとなったという見方で、管理人はとりあえずの結論を出しました。
一目均衡表でチャート占い
まあ、リラ下落はそれなりの理由があったということで収めて、チャートの動きを追ってみましょうか。
チャートでは、ここ数日のレンジを抜けて、大幅にリラ下落となっています。以下は、本日現在のUSD/TRY日足チャートです。チャートは上に行くほど、リラ売りです。
ここからの目標値に対しては、チャート上の手がかりはあまりありません。唯一、一目均衡表で見ると、先行きを占うことができそうです。
管理人の占いでは、USD/TRY=2.12辺りが差し当たっての利益確定の目安と出ました。遅行線がローソク足にぶつかって停滞する形を予想しています。逆に、USD/TRY=2.12で止まらないようなら、さらに下落しそうです。まあ、一旦利益確定して、再び上がるようなら再度ポジション建てという流れでしょうか。利幅は大きくなりそうです。