今回は、1月に重なった経済指標の読み方と為替レートが動くメカニズムを確認していきましょう。ファンダメンタルと為替レートの因果関係を確認しておくことは、今後の相場でのエントリーにも決済にも効いてきます。ここを見誤ると、将来の見通しが危うくなります。
- 1月の振り返り
- 経済指標と為替レートのメカニズム
- 2月は荒れ相場
1月の振り返り
早いもので、今年も1ヶ月が過ぎました。FX市場では1月が稼ぎ時です。皆さん、うまく儲けることができたでしょうか。
管理人は前回の記事通り、EURTRYを早々と利益確定。結果的に、トレンドの頂点で決済することができました。現在は、次のエントリーに向けて、エントリーのタイミングを待つ状態です。
2月4日の夕方に、トルコCPIの発表がありました。指標内容が非常に良かったらしく、トルコリラは急伸。早くも押し目を逃がした感がありますが、まだ様子を見たい所です。EURTRY=2.85付近まで待ちましょうか。トレンドライン的には、EURTRY=2.82が押し目。さらにオーバーシュートを考慮するとEURTRY=2.85がリラ安の底と見ます。
経済指標と為替レートのメカニズム
本家サイトを更新しました。
「こうみる」と題して、管理人なりの経済指標に対する解釈を述べています。ポイントは、インドルピーやトルコリラに注目が集まっている点でしょうか。ざっと、以下の通りの内容です。
- 米雇用統計 トルコリラには影響なし。
- インド中銀利下げ 重要。利下げなのに買われた。
- スイス中銀上限撤廃 割愛。まあ、波乱相場はご存じの通り。
- 日銀金融政策 現状維持。影響なし。
- トルコ中銀利下げ 利下げなのに一時買い。これは重要。
- ECB金融緩和発表 大幅リラ買い。今後も期待。
- FOMC声明 既存路線で材料出尽くし。
- ロシア中銀利下げ リラ売り。「トルコリラ利下げの連想売り」はフェイク。
重要なポイントは、3つです。トルコ政策金利引き下げでリラ買いとなったこと。ECB金融緩和でリラ買いになったこと。ロシア中銀利下げでリラ売りになったこと。
上記のうち、最後のロシア中銀利下げでリラ売りは、実はヘッジファンドのタテマエ。単に、利益確定する理由が欲しかったと読むのが妥当です。この辺の事情は、為替ニュースに対するリテラシーがないと分かりませんね。
詳しい事情は、本家サイトで語っています。ご覧あれ。
2月は荒れ相場
前述の記事を更新した後に出たファンダメンタルが2つあります。トルコ利下げの市場解釈と米雇用統計です。下記のニュースの通り、どうにも市場は利下げを時期尚早と見ているようです。実際、トルコリラは対ドルで安値更新しましたね。
アングル:新興国中銀の利下げに政治圧力、試される信認(ロイターから)
[ロンドン 5日 ロイター] – 原油安や欧州での金融緩和を背景に新興諸国の中央銀行が利下げに動いているが、政治圧力を掛けられるケースも目立つ。トルコのエルドアン大統領が中銀に対し、より大幅かつ急スピードの利下げを求めるといった事態が代表例で、中銀の信認が試されてる。
ロシアは通貨ルーブルの防衛とインフレ抑制を目的に650bpの利上げを実施してわずか1カ月後の先週、200bpの利下げに踏み切って市場に衝撃を与えた。また、トルコが1月に50bpの利下げを行ったことは、インフレ率の高さを踏まえれば時期尚早だったとアナリストは見ている。
もう一つは2月の米雇用統計。結果が良好だったようですね。米ドル円のレートが急上昇しました。これにつれてトルコリラ円も上がった感じですね。ただ、トルコリラそのものは微妙で、対ドル(USDJPY)で最安値をさらに更新しています。
1月のファンダメンタルを確認したところで、今月2月の展望といきたいところです。まあ、対ドルではリラ売りでしょう。でも、対ユーロでは買いたいと思っています。実はまだ、相場観を練っているところです。
というのも、例年2月というのは難しい年なんです。各国の経済指標に修正が入ったり、ヘッジファンドの決算が入ったりで、相場が荒れることもしばしば。3年前のドラギマジック(ドラギ総裁の口先介入でユーロ売りが大転換した年)も、やっぱり2月だったりします。記事にしろ、トレードにしろ、ここは慎重に行かざるを得ないのですよ。
まあ、基本的にヘッジファンドの決算が控えているので、ポジション縮小の傾向かなと見ています。「ヘッジファンドの決算」が意味するところを掘り下げて書いていきましょうか。あまり知られていないファンドの弱みについて語ろうと思います。
次回、乞うご期待。