来る11月1日。トルコ国会の再選挙が実施されます。今回の焦点は「与党の独立過半数の達成可否」です。個人的には、達成は無理だと思います。おいおいニュースが出てくるでしょう。ぶっちゃけ、選挙前からリラ売り仕込んでやろうと考えています。
前回の選挙では、議席を失った与党AKPでしたが、連立政権の樹立に至りませんでした。原因は、例の髭オヤジです。今回は、選挙の経緯と前哨戦、ついでに為替の見通しを語ります。
再選挙前で落ち着くかと思いきや、ネタが出すぎて追いついてません。今回は、とりあえず色々詰め込みました。やっつけ仕事deぱらりら・・・ということで。
- エルドアンの政策志向de再選挙
- 与党は過半数割れ濃厚だなあ
- 選挙前なのにドラギ発言で高騰
- 選挙前なのにFOMCとか利上げ示唆とか
エルドアンの政策志向de再選挙
冒頭に書いたとおり、11月1日はトルコ国会再選挙です。前回の選挙では与党AKPが過半数を失った訳ですが、すったもんだで連立政権を樹立することができませんでした。で、政権不在で国会機能は停止。そんな所にテロやら空爆やらで、先月までトルコリラ大暴落になっていた次第です。
そもそも、連立政権が樹立できない理由は大統領閣下のご意向のようですね。狡猾な政治家だったら、テロ事件を機に国家の結束を高める、という手段を取るところです。しかし、髭オヤジは飽くまで独立与党にこだわりました。
エルドアン氏が独立与党にこだわるのは、大統領権限拡大の目論見があるからでしょうな。現在のトルコ大統領は名誉職です。株式会社で言ったら、代表権限のない会長ってところでしょうか。まあ、平たく言えば「俺にもっと権限よこせ」ってことですね。連立政権を樹立しようにも、相手は困ってしまいますなあ。
与党は過半数割れ濃厚だなあ
とまあ、再選挙の経緯はそんなとこなんですが、もっと端的な情報が出てきました。選挙前の世論調査です。どうやらロイター発の情報によると、下馬評は与党再び敗退が濃厚な様子。
トルコ再選挙、与党の支持率上昇も過半数獲得は困難=世論調査
イスタンブール 15日 ロイター] – メトロポールが実施したトルコの最新の世論調査によると、与党・公正発展党(AKP)の支持率は6月の総選挙時の40.9%から上昇し41.4%となった。ただ、11月1日の再選挙で単独過半数を獲得するのは困難とみられる。
という訳で、管理人は独立過半数は無理だと考えています。多分、選挙前後で売られるんじゃないかと。「トルコリラ円39円再び」というシナリオメインで考えています。そしたら、また買うんですけどね。
選挙前なのにドラギ発言で高騰
一方で、トルコリラは買われる方向にも。対ユーロ相場です。原因はECB総裁マリオ=ドラギの追加金融緩和発言です。
ドラギ発言で円売り、ユーロ売り。トルコリラ通貨ペアはバラバラ。ニュース見てよく考えます。#fx #トルコリラ
— トルコリラの為替投資戦略ナビ (@fxturkishlira) 2015, 10月 22
twitterでぼそっと言いましたが、ドラギ氏が追加金融緩和をほのめかしました。ECBの金融緩和ってリスクオンで、かつユーロ売りなんですよ。そんな訳でトルコリラ/ユーロは高騰。ついでに、リスクオンでの円売りでトルコリラ円も上がりました。
以前からの長期ポジションを引っ張っていた方には嬉しいプレゼント。一方の管理人は、サプライズで若干混乱中です。さてはて、対ユーロトレードは、こっからどうしてくれましょうか。
ECBの金融緩和については、以前、本家サイトで解説しましたよ。ご覧あれ。
選挙前なのにFOMCとか利上げ示唆とか
最後に、マイナー通貨全てを揺るがす米利上げの話。昨日、FOMC会合後のFRB声明がありました。結論から言うと、リラ売りドル買い。理由は利上げ観測浮上ですね。FRBが12月の利上げ余地を示唆しました。
[ロイター]12月に利上げを行う用意があることを表明したFRB
28日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合後に公表された声明は、次回12月15-16日の会合で利上げが決定される可能性があることを示唆する内容だった。市場関係者の間からは、年内利上げは微妙だったが、これで12月の利上げに改めて備える必要があるとの声が多く聞かれている。
FOMCの声明は12月利上げを確約するものではないが、世界経済の情勢が急激に悪化するなどの想定外のことが起きない限り、米連邦準備制度理事会(FRB)は次回のFOMC会合で利上げを決定するだろう。
という訳で、選挙直前でトルコリラ売りのドル買い。ただし、ドル買いには別の要因も。ついでに、その前のトルコ中銀政策会議では、バシュチュ総裁が利上げを示唆。まあ、トルコはインフレ進んでますからねえ。年明けくらいに利上げするかなあ、という所。ドル買いやら利上げ事情やら、ここら辺のお話は、今度、本家サイトで語りましょうか。ともかく、今は目の前の選挙が一番のネタです。