トルコリラの為替レートを押し上げる動きが出てきました。原油価格の下落です。トルコのような産業推進を図る国にとって、エネルギー価格の下落はプラスの材料です。特に、トルコはエネルギー輸入国なので、原油価格の下落はさらにプラスに働きます。
と言う訳で、今回はトルコリラが上昇トレンドに変わるかもしれないというお話です。
- 原油価格の下落とトルコ経済
- 対円と対ユーロなら買い
- リラ買い向け証券会社
原油価格の下落とトルコ経済
本家HPの記事をアップしました。
内容はと言うと、対ユーロ、対円ならリラ買いを始めても良いかなという主張です。原油価格が下がっているので、エネルギー輸入国のトルコ経済にとってプラスになるという材料が出てきました。
ここからは本家サイトに書いてませんが、原油価格の下落は以下の2つの理由によるものです。
- シェールガス革命で米国の生産量増加
- 中東が原産調整を行っていない
シェールガス革命が、エネルギー事情に一石投じたようですね。通常、原油価格が下がると、サウジアラビア始め、中東諸国が原産調整で供給を絞ってきます。ただ、米国の供給が増えた中で原産すると、そのまんまシェアを食われるかも知れません。従来の戦略を取れなくなってきました。
近年では、電気自動車や再生可能エネルギーの開発など、原油の消費を減らす技術が発展してきています。将来的に石油が枯渇する前に、必要なくなる時代が来るのかも知れませんね。これを受けてか、先日のOPECでは、中東諸国が原油の減産調整を行わない結論を出しました。
対円と対ユーロなら買い
冒頭で、対円、対ユーロならリラ買いと書きました。これは、日本と欧米が金融緩和を行っているためです。
従来、米国の量的金融緩和は自国通貨の米ドルを押し上げる動きになりました。しかし、日本と欧州では金融緩和の目的が異なります。両国とも、自国通貨安を誘導することが目的です。長らく円高に悩んだ日本、同じく低インフレに悩む欧州。どちらも、為替レートを下げたい目論見が背景にあります。
一方のマイナー通貨は、相対的に通貨高の影響を受けます。これは、新興国にとっても願ったり叶ったりでしょう。トルコも南アフリカも、米金融緩和の影響で、インフレ率の増加に悩んでいました。当然、経済政策でも通貨高を邪魔するような方策は取らないと考えることができます。このまま、高利率を維持してインフレ対策を続けるでしょう。少なくとも、まだ、利下げの材料は出てきていませんし、トルコは利率の維持を明言しています。
という訳で、日本円、ユーロは価値が下がり、トルコ含む新興国マイナー通貨は通貨高が臨まれる訳です。この構造は、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を明言したころから見通していました。最近になって、緩和策が実行に移され、為替レートも動き始めました。そろそろ、EUR/TRYあたりを買い始めてもいいんじゃないかと思います。
リラ買い向け証券会社
もっとも、現実的には国内資本の証券会社では、EUR/TRYの通貨ペアを扱っていないことが問題でしょうか。唯一、ヒロセ通商が幅広い通貨ラインナップを展開していますが、肝心のスワップポイントが低い点が問題です。まあ、スワップポイントが安い特徴は、異業者両建ての売り持ち口座には向いているんですが。
今月のスワップポイントは、「トルコリラ最新のスワップポイント」のページに更新しました。国内資本、海外資本を含めて、管理人の把握できる限りの情報をまとめています。こちらを見ながら、比較検討してみると良いと思います。
トルコリラのスワップ運用が目的なら、結果的に外国資本の証券会社を利用することになるでしょう。といっても、海外FXは怖いので、外資の日本法人が妥当なところでしょうか。短期の買い建てなら、メジャーなサクソバンクFXも良いのですが、如何せん、スワップポイントが安定していない点が課題です。長期安定型のスワップ運用なら、OANDA JapanかAVA Tradeが良いと考えます。