昨日の夕刻から、大幅なトルコリラ下落がありました。下落幅、およそ300pips。売り越した人は、さぞや儲けが出たことでしょう。管理人は、50pipsで利益確定してしまいました。
今日まで原因が分からなかったのですが、どうやら世界銀行の世界成長下方修正のニュースが原因のようです。
[ワシントン 10日 ロイター] – 世界銀行は10日、今年の世界成長率見通しを1月時点の3.2%から2.8%に引き下げた。ウクライナ危機や米寒波の影響が、上半期の成長を抑制したためとしている。
世銀は年2回公表する「世界経済見通し」の中で、ウクライナとロシア間の緊張が世界的に景況感を悪化させたと指摘。また、年初の寒波を受け、米国の成長率見通しを2.8%から2.1%に引き下げた。
報告書主要執筆者のアンドリュー・バーンズ氏はインタビューで「確かに2014年は大きな下方修正だが、これは既に発生した出来事を主に反映させたためだ」と述べた。
比較的裕福な国・地域の景気回復が継続するとして、年内には成長ペースが加速すると予想。翌年以降2年間の世界成長率見通しについては、15年を3.4%、16年を3.5%でそれぞれ据え置いた。
ただ、バーンズ氏は「市場や投資家は不確実性を好まない」と指摘。「(ウクライナにおける)緊張が高まり、情勢が悪化する可能性も明確にある」と警戒感を示した。
ただ、果たして本当に世界成長停滞が暴落の原因かというと、そうでもないと思います。むしろ背景にあるのは、市場の加熱感でしょう。先週の米雇用統計まで、市場はリスクオン相場が続いていました。米NASDAQは年初来高値更新。日本株も上昇を続けていました。そうなってくると、機関投資家は利益確定の材料が欲しい所で、世界銀行のニュースがよい口実になったのだと思います。
トルコリラ下落のチャートポイント
上記の通り、下落材料のニュースが流れた訳ですが、チャート的にもサインが出ていました。
チャートポイントは、以下の○印です。
チャートは、USD/TRYの為替レートを示しています。上に行くほどトルコリラ売りです。
一目均衡表で見ると、ポイントの部分で三役好転が出ています。これが、USD/TRYの上昇サイン。つまりリラ下落のトリガーです。三役好転は、チャートが上昇する典型的なサインです。サインが出てからリラ売りに走っても、十分利益が出ました。サインが出たのは、昨日19時頃です。
一目均衡表はもともと株式相場で研究されてきたものです。内容は難解ですが、最近では為替の教科書でも扱うようになってきました。徐々に敷居は下がってきていると思います。
トルコリラと一目均衡表。管理人個人は、なかなか相性の良い組み合わせだと思います。